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抗がん功法の教室です - since 1997 -
ガンに負けない体、リラックスし穏やかに日々を送れる心。それを育むことを目標に明るく楽しく練功しています。
35年にわたり日本での郭林新気功 郭林気功の普及に努めてきた「郭林新気功協会」より講師をお招きして、懇切丁寧にご指導いただいております。

2016年2月17日水曜日

手術記念日(ほのぼの)

10年前の2月、巷ではチョコレート合戦が展開している日、私は乳ガンの手術をした。
その頃の我が家は、それぞれが人生の節目に立ち、家の中に大風が吹いていた。
認知症の夫の母は、夕方になると幻覚が見え始め、夜中家の中を徘徊し、家族は次第に疲れ果て無口になった。
部署が閉鎖するかもしれないと言う夫の職場は、不安からか、互いに疑心暗鬼になり、それまでの信頼関係は崩壊した様子だった。
二人の子供は受験生で、長女は国家試験が控えていた。
入院の日、夫の職場は、乳ガンで手術をする家族の事を考える余裕もなく、半日しか休みが取れず仕事に行った。
職場の事は何も語らなかった夫だが、その背中から辛さを感じた。
仕事に向かう夫の背中に、「負けるな!!」と叫んだ。
そして私は一人、タクシーに乗って入院した。
手術の前に点滴をしていると、携帯が何度も鳴り、夫の母の施設からの連絡だった。
もうすぐ胸を切り刻まれる状況の中でも、私は自分の事だけを考える余地を与えては貰えなかった。
朝「負けるな」と夫に叫んだ言葉は、実は自分に言った言葉だった。
手術室の扉が閉まるのと同時に、夫が駆けつけた。
翌日北陸から、父と母がやって来た。
父は椅子に腰掛け、静かに語り始めた。
「手術をして、今こうしてベッドに横たわって、どんな気持ちでいるのかな〜と思う。大変やったけど、これからちゃんと治療をして、養生をして、治していくとええ。わしはもう長いこと生きたから、もうええけど、まだ若いんや、病気を治して、生きて生きて生き抜け!!」
長い間張り詰めていた気持ちが緩んで、涙が溢れた。

京都・ほのぼの

14 件のコメント:

  1. 大変やったんやね。辛い事って重なるもんですよ。お父さんの言葉は、深くて大きな愛情を感じます。
    私も、8年前の2月、手術をしました。自転車で1人で入院して、手術前日まで外出届けを出して仕事に行き、術後、1人で自転車で退院しました。我が家も大変な時期でした。癌は警告だったのかもしれないです!

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    1. ジャイコさんも大変な思いをされたのですね。
      自転車で入院して、自転車で退院して帰ったなんて、タフな患者ですね!癌の克服には、そのタフさが大事なんですね!

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    2. もう11年になるんですね。
      癌の治療は長くて、その間いろんな事を思い知らされます。
      ヒデさんのウルトラマンに愛を感じるのは、ヒデさんが癌から得たいろんな思いが出ているんでしょうね。

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  2. 手術というのはやっぱり大変な経験で、戦場でしたが、あれがあったから今、ここにいるとも言える訳ですよね。
    おふたりは今や気功の達人レベルですが、発病したのは私がちょっとセンパイでしたね。(エヘンエヘン)
    私の10年前の2月は、2回目の副腎手術でした。腹腔鏡手術など、今はかなり楽になっているようです。
      ヒデ:腎臓がん11周年

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  3. 『ほのぼの』さん、大変でしたね。辛いことは重なるものですね。そして、皆さん方それぞれの環境の中で闘っていらっしゃるのですね。逃げられない運命に立ち向かう姿を想像させていただき、また、勇気を頂戴いたしました。

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    1. こむぎさんが、余命2ヶ月と告知をうけた時の衝撃は、 想像を絶します。命を真剣に考えたこむぎさんの笑顔には、いつも大きな包容力を感じています。

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  4. 手術の時は独りで闘ってる感じで、こんな私でも「キリッとした顔してた」らしいです。
    独りで家に帰って来て、鍵を失くして家に入れんかった時は辛かったなあ。

    今は一緒に闘う教室のお仲間に支えてもらえてありがたいです。
    ほのさん、皆さんありがとうございます。

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    1. それぞれが大変な思いを経験しているからこそ、気功教室に集う仲間は、新しく来られた方を受け入れ大切に思いますよね。
      しみやんは京都教室の、人気者ですね。

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  5. 私も新人やった頃、ベテラン患者さん達に、温かく迎えてもらいました。そして何より、そこに行けば、いつも萬田ご夫妻とヘジャさんの笑顔があり、切れそうになる心の糸をつないでくれたのは、京都教室でした。恩返ししなくちゃって、思ってます。

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    1. 教室に入ると、みんなが受け入れてくれましたよね。
      それが本当に嬉しかったね。

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  6. いつも明るいほのぼのさんの笑顔の裏に、そんなご苦労があったとは思いもしませんでした。
    力強くも愛情ぶかい言葉をくださるお父様のなんとステキな事!
    惚れ惚れしつつ、胸がジーンと熱くなりました。

    再発の告知を受けた時、我が家も大変な時期で不幸のどん底だったのを思い出します。
    皆さんそれぞれに厳しい時がおありだったのですね〜〜
    ガン患者さんて、タフだわぁ〜

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    1. タンポポさん、コメントありがとうございます!
      癌になると自分だけの問題でなくなってくるので、タンポポさんも大変だったのですね。
      みんなドラマがあって、タンポポさんのドラマも見てみたいです。

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  7. ほのぼのさん、感動的なお話しをありがとうございます。
    いろいろなことがあって、今のほのぼのさんなのですね。
    お父様の力強いメッセージに私も勇気付けられました。
    ほのぼのさん達、先輩がおられて私たちは恵まれていますね。

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    1. もりりんさんも手術の頃は、お子さんが小さくて、どんなに悲しい思いをされたのか、お察しします。今はお仕事も再開されて、お元気になられた事を、心から喜んでいますよ。

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